犬と猫を一緒に飼い始めるとき、「最初から会わせて大丈夫?」と不安になる人も多いでしょう。
結論からいうと、いきなり同じ部屋で自由に会わせるのではなく、少しずつ相手の存在に慣らしていくのが基本です。
犬と猫が必ず仲良しになる必要はありません。
まず目指したいのは、一緒に遊ぶことではなく、お互いが怖がらず、安全に同じ家で生活できることです。
結論|最初の対面は「すぐに会わせない」のが基本
犬と猫を迎えた初日から、同じ部屋で自由に接触させる必要はありません。
基本的には、
①別々の場所で過ごす
②相手の匂いに慣らす
③柵など越しに姿を見る
④管理した状態で短時間会わせる
⑤落ち着いていられる時間を少しずつ延ばす
という順番で進めます。
特に猫には、犬から離れたいときに自分で逃げられる場所を用意することが重要です。
研究でも「段階的な紹介」が良い結果と関連
2022年に発表された研究では、すでに猫がいる家庭へ迎えられた子犬について調べています。
猫と対面済みだった1,211頭の子犬では、
・猫と遊ぼうとする:58.9%
・興奮する:56.6%
・猫を追いかける:48.6%
といった行動が多くみられました。
一方、猫を無視したり、落ち着いて接したりする「望ましい行動」だけを示した子犬は7.3%でした。
そして、猫へ段階的に紹介された子犬では、こうした落ち着いた行動がみられる可能性が高かったと報告されています。
ただし、これは飼い主からの報告を利用した観察研究です。
「段階的に会わせれば必ず仲良くなる」と証明した研究ではありません。
それでも、最初から犬と猫だけに任せるのではなく、飼い主が安全を管理しながら少しずつ慣らす方法を支持する研究のひとつです。
STEP1|まずは別々の場所で過ごす
新しく犬や猫を迎えたら、まずそれぞれが安心して過ごせる場所を作ります。
特に猫には、犬が入ってこない場所を確保します。
猫のスペースには、
・水
・ごはん
・トイレ
・寝床
・隠れ場所
・高い場所
などを用意します。
初日から家全体を自由に行き来させる必要はありません。
まず新しい環境そのものに慣れてもらいましょう。
STEP2|直接会う前に匂いに慣らす
次に、姿を見る前から相手の存在に慣らしていきます。
たとえば、
・それぞれが使った毛布やタオルを交換する
・体をなでた布を相手の生活スペースに置く
・安全を確保して、相手がいない時間に部屋を探索させる
といった方法があります。
相手の匂いに対して強く警戒する場合は、無理に次へ進める必要はありません。
STEP3|柵など越しに姿を見せる
匂いや気配に慣れてきたら、次は直接触れられない状態で姿を見せます。
ペットゲートなどを利用し、犬が猫へ突進できない状態を作ります。
猫には必ず逃げ道を残してください。
猫を抱きかかえたまま犬へ近づける方法は避けた方が安全です。
猫が怖いと感じても、自分で距離を取れないためです。
STEP4|最初の直接対面は短時間にする
お互いが姿を見ても比較的落ち着いていられるようになったら、短時間の直接対面へ進みます。
犬はリードにつなぎ、飼い主が安全にコントロールできる状態にします。
一方、猫は自分で離れられるようにしておきます。
無理に鼻同士を近づけたり、飼い主が抱いて接触させたりする必要はありません。
犬が猫を見ても落ち着いていられたら、静かに褒めたりごほうびを与えたりします。
STEP5|同じ空間にいる時間を少しずつ延ばす
最初は数分でもかまいません。
犬が興奮せず、猫にも強い恐怖がみられなければ、少しずつ時間を延ばします。
ただし、一度うまくいっただけで、すぐに犬と猫だけで留守番させる必要はありません。
飼い主がいない状態で一緒に過ごさせるのは、十分に落ち着いた関係になってから検討しましょう。
こんな様子があったら一度離す
犬では、
・猫をじっと見続ける
・体を固くする
・激しく吠える
・飛びつこうとする
・追いかけ続ける
といった様子に注意します。
猫では、
・耳を強く伏せる
・毛を逆立てる
・うなる、威嚇する
・隠れたまま出てこない
・食事やトイレなど普段の生活に変化が続く
といった場合は、進めるペースを落としましょう。
一度前の段階へ戻っても失敗ではありません。
犬と猫は一緒に暮らせる?
犬と猫は違う動物ですが、同じ家庭で穏やかに暮らすことは十分に可能です。
2008年の研究では、犬猫の飼い主へのアンケートと家庭内での観察から、両者が比較的友好的な関係を築けることが示されています。
また2020年に犬猫を一緒に飼う1,270人を調べた研究でも、多くの家庭で平穏な共存が報告されています。
ただし、犬種や猫種だけで「相性が良い・悪い」と決めることはできません。
それぞれの性格、年齢、過去の経験、実際の行動を見ることが重要です。
「仲良し」にするより逃げられる環境を作ろう
犬と猫が同じ家で暮らすからといって、一緒に遊んだり寝たりする必要はありません。
お互いを気にせず、それぞれ好きな場所で過ごせる関係でも十分です。
特に猫には、
・犬が入れない場所
・高い棚やキャットタワー
・犬に邪魔されない食事場所
・落ち着いて使えるトイレ
などを用意します。
「仲良くさせること」より、「離れたいときに離れられること」を優先しましょう。
うまくいかないときは無理をしない
犬が猫を激しく追い続ける、猫が強い恐怖を示し続ける、攻撃によってけがをする危険がある場合などは、自己判断だけで対面を繰り返さないでください。
いったん生活空間を分け、必要に応じて獣医師や動物行動に詳しい専門家へ相談しましょう。
特に犬と猫の体格差が大きい場合は、犬に攻撃する意図がなくても猫がけがをする可能性があります。
まとめ|犬と猫の最初の対面はゆっくり進めよう
犬と猫を一緒に飼い始めるときは、
別室 → 匂い → 姿を見る → 管理した対面 → 徐々に時間を延ばす
という順番で進めるのが基本です。
研究でも、段階的な紹介は猫に対する子犬の落ち着いた行動と関連していました。
ただし、慣れるまでの時間には大きな個体差があります。
「早く仲良くさせなければ」と焦らず、お互いが安心して暮らせる距離を作ることを最優先にしてください。
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